今年度、第1回目の家族介護教室「シナプソロジー」体験会をおこないました。
地域包括支援センター(ケア24)では、高齢者を介護している家族や介護などに関心のある地域の方々等を対象に無料の講座を開催しています。(交通費などは実費になります。)
講師としてスマイルデイサービスの米本さん、兵庫さんに来ていただいて、認知機能低下を予防する体験会をおこないました。
〇シナプソロジーって何?
五感を使って楽しく脳に様々な刺激を与えることで脳を活性化するプログラムで、認知機能や運動機能の向上とともに、不安感の低下にも繋がります。
具体的には「2つの事を同時に行う」「左右で違う動きをする」といった普段慣れない動きで脳に適度な刺激を与えて活性化をはかるエクササイズです。
シナプソロジーの最大の特徴は、「上手くできなくても良い」ということで、上手くできることが目的ではなくて、「あれあれ?」「どっちだっけ?」と思った人ほど脳に良い刺激を与えていることになります。
シナプソロジーの語源は、
「シナプス」=「脳神経細胞同士の結びつき」
「ロジー」=「〇〇理論」という2つの言葉を組み合わせた造語で、認知症の発生を遅らせたり、進行を遅くするために脳のネットワークを鍛えるエクササイズになります。
①人の名前がパッと思い出せない人
②会話の中であれ、これとモノの名前が出てこない人
③いつも何か探している人
④気分が晴れずに憂鬱な人
などにおススメです。と話されていました。
〇体験会の様子
↑「後だしジャンケン」
講師の方がグー、チョキ、パーのいずれかを出した後に、同じ手を出しながら声も出します。同じ動作を数回繰り返した後に、スパイスアップ(刺激の追加)と称して、講師の方が出したものに勝つ手や負ける手を出して脳を活性化させます。
↑「3で止まる」
①座った状態で両手で太ももを叩く②両手を叩く。この①と②の動作を繰り返しながら、
「123.456…」と声に出して3ずつ止めながら15までこの動作を繰り返す。
→「あいう、えおか…」と、あいうえおを3ずつ区切る。
→「春夏秋、冬春夏、秋冬春…」と春夏秋冬を3ずつ区切る。
→「夏」をスイカに言い換える。
また、複数人で楽しく行うことで、感情や情動に関係した脳も活性化され意欲が高まり、明るく活動的になることも期待ができます。
↑ペア、グループでのエクササイズ
〇シナプソロジーの効果
筑波大学の教授が効果検証を行った結果、注意力が高まり、判断力が速くなるなどの脳機能の改善とともに、爽快感が向上し、疲労感や抑うつ感が減少するなど心理面における効果も立証されているそうです。
実際にスマイルデイサービスでは毎日の体操に取り入れており、利用者さんの注意機能や集中力の向上がみられ、転倒事故がかなり減少したと話されていました。
体験をされた方は、「すごく楽しかった」「いい刺激になった」「他の人にも薦めたい」などの感想をいただき好評を得ています。
8、9、10月も面白くてタメになる講座を企画していますので、地域の方々に参加して頂ければ嬉しく思います。
文責:比毛