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お知らせ・ブログ
モヤモヤを抱え続ける力「ネガティブ・ケイパビリティ」
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2024年12月27日 13時07分ブログ
突然ですが、「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉をご存じでしょうか。
先日、精神科医である帚木蓬生(ははきぎ ほうせい)さんが書いた「ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力」という本を読み、「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉を初めて知り感銘を受けたので、今日はこの言葉についてお話させていただきます。
「ネガティブ・ケイパビリティ」とは
「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」
または
「性急に証明や理由を求めずに、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいることができる能力」
を意味するそうです。
私たちは何か困った事が起きた時に、すぐに物事の問題の本質を瞬時に見極め、できるだけ早くその問題に対応することが、あるべき姿だと思いがちです。
家族や友人から相談をされたときに「こうすれば良いんじゃない?」とすぐにアドバイスをしてしまったり、「気にする事ないよ」と問題自体を無かったことにしてしまったりすること、よくありますよね。
もちろんその対応が吉と出る時もありますが、複雑な事情で深く悩んでいる時には「答えを求めてるんじゃなくて、ただ話を聞いてほしかっただけなのにな…」と感じさせてしまうこともあると思います。
問題を解決しようとつい焦ってしまったり、白黒つけたくなってしまうのは人間の性だそうです。
状況が複雑に入り組んでいて一朝一夕には解決できない場合は、安易に状況を単純化したり目先の解決策に飛びついたりせずに、宙ぶらりんのまま問題を抱えておく力「ネガティブ・ケイパビリティ」が大切だと、帚木さんは言います。
ただ解決を諦めたり、先延ばしにしたりするということではなく、問題を問題として抱えたまま向き合い続ける事も一つの能力だという考え方が、とても新鮮に感じました。
ケア24善福寺に入職してからの約三年間で、たくさんの方々に関わらせていただきました。
病気など体調についての相談や、介護についての悩み、生活や金銭面でのお困りごとなど、すぐに解決策が見つからずもどかしい思いをしたり、介入のタイミングが難しいと感じたりすることもたくさんありました。
この言葉を知って、安易に「この人は〇〇なタイプだ」と枠組みにはめ込もうとしたりせずに、わからないならわからないまま、今できることを続けながら信頼関係を作り、状況を整理して、相手を理解しようとする努力を続けていくことが大切だと改めて感じました。
モヤモヤを抱えたままの相手に寄り添い、伴走し続けるという姿勢を肝に銘じて、来年も元気に頑張っていきたいと思います。
今年も大変お世話になり、ありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
文責:渡邉